ばみログ(ヤマダの日記)

小学校で3年間教師を務めるなかで、自分の価値観を広げたいという思いにかられて旅に出る。日本自転車旅、東南アジアバックパッカーなどなどしながら思ったことをつらつら書いてます。2018年10月24日より博多で社会復帰しました!笑

西日本13日目 金峰木花館〜知覧〜鹿児島

12日目の夜

宿を求めて行った道の駅で

また素敵な出会いがあった。

 

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戦争が終わる一年前に生まれたって言ってたなあ。

 

なんとこのおじいさん

日本一周に挑戦していて、

この九州でフィニッシュなんだって。

 

すごすぎだよね、

うちのじいさんと年そんなに変わらんよ。

 

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いまが青春なんだって笑顔で言ってた。

 

めちゃめちゃかっこいいよね。

 

本当は若い頃やりたかったらしいけど、

会社人間だったから全然できなかったって。

ずーっと旅したい思いを持ち続けていたんだって。

 

で、

今回みたいに退職してから自転車で旅したり、

四国でお遍路したりしたらしい。

 

それまでは何か行動するときには

常に見返りのためだった。

それが旅をしはじめてから

人の思いやりに触れて

見返りを求めず人に与えることのよさに気づいたって。

人に施すことで心が満たされてくっていう見返りを見つけたって言ってた。

 

それはこの旅をしてて、自分もすごく感じてたこと。

 

それに気づいてから家族にも優しくなれて、

奥さんに文句ばかり言ってたのが

今ではお皿洗いを毎回してるんだって。

 

めっちゃ素敵よね。

 

心がすごく生き生きしてて

あったかくて大らかなエネルギーを放ってた。

 

そういうことにこの歳で気付きはじめた君は幸せだねって言われて、確かにそうだと思った。

 

今は彼の若かった頃とは全く環境が違う。

 

情報も、雇用も、観念も、世間も

 

大きく変わった。

 

たまたま自分がこんないい時代に生まれたからわがままが通用している。

 

 

この旅を支えてくれる家族や周りの人に感謝だねっていう彼の言葉は、彼自身が体感し、気づいた言葉だと感じられたからか、日がゆっくりと、あたたかく沈んでいくように自分の心に入っていった。

 

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こんな夕日を見ながらそんな話できるなんて最高すぎたよ。

 

 

 

次の日(13日目)は知覧に行く。

 

キムに修善寺で勧められて、からずっと気になっていたので、行けてよかった。

 

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朝一で着いたけど、

人はたくさんいた。

 

ハッピーなゴールデンウィークだけど、

みんな意外と来るんだなあと思った。

 

 

 

館内は撮影禁止だったので、

写真はない。

 

ざっくりいうと、

映像を見て、

遺品や当時の戦争や生活に使われていた道具を見て、

特攻に行く人たちが最後に書き残した遺書を読んだ。

 

全部で3時間くらいいた。

 

館を出てからしばらくの間すごく気持ちが悪くなった。

 

他にも見所はあったみたいだけど、

1人では耐えきれなかったので、館の見学だけで知覧を後にしてしまった。

 

 

特に心に残っているのは、

やはり遺書だった。

 

 

読みながら涙が止まらなかった。

 

 

特攻に行った人の多くが何かしらを残していて、全くそのもの、現物が展示されていた。

 

昔の言葉だったり、達筆すぎて読めなかったので、訳してくれてあるものを読んだ。

 

 

 

 

多くの人が書き残していたのは

残された家族や友人への手紙だった。

とりわけ母親へ宛てられたものが多かった。

 

 

 

出発前夜に書かれたものから、

出発直前の飛行機の翼の上で書かれたものまで多様だった。

 

 

そのどれもが、

感謝と、孝行できなかったことの後悔と、

笑って、はつらつと、覚悟をもって死んで来るから心配しないでくれ。

そしてきっと戦艦を沈めてみせるから褒めてくれ。

あの世で会おう。

 

ってものだった。

 

 

それらを読んで、もちろん自分もせっかく命があるのに孝行できてないなとか、こんな風に命かけて日々を生きれてないなとか、戦争よくない!みたいな、言っちゃえば月並みなことはガンガン感じて、涙が止まらなかった。

 

こんなことを20の男達に言わせる戦争というものの恐ろしさや、2度と起こしてはならないという気持ちにもちゃんとなった。

 

彼らの不遇に心が痛かった。

 

 

 

 

そういうことも思ったけど、

 

よくわからなくなってしまったことがあった。

 

 

残された写真に写る人のほとんどは、

勇ましく、精悍な顔立ちをしているか、

よろこびにあふれたような、これが俺たちの青春だ!というような笑顔をしたものであった。

 

 

 

 

 

そういうものを見ていて、

 

いろんなことがよくわからなくなってしまった。

 

 

ひとことで

 

「彼ら」

 

とくくってしまうのはよくないかもしれないが、自分には彼らの本心がわからなかった。

 

本気で喜んで死にに行ってるのか、

空元気でそうはつらつと見せているだけなのか、(周囲に心配をかけまいとして。)

 

 

出発前夜の夜、布団の中で泣いていた人もたくさんいると言っていたから恐怖は半端じゃなかったことはわかる。

 

でも

祖国のために命を使ってもらうことこそ本望と言って敵艦に挑んで行くその誇りは彼らにとって幸せだったのだろう。とも思う。

 

 

特攻隊に志願し、

そこで命を使えたこと、

使命を果たせたこと、

 

それによって彼らは本当に幸せだったのかもしれないと思ってしまった。

 

 

今の時代にあっては、

そんなことは絶対に絶対に絶対にありえないのだけど、

 

その当時、それは幸せだったのかもしれないと思った。

 

 

家族ともっと過ごしたかっただろうし好きな人がいたかもしれないし、もっと自分がやりたいことがあったかもしれない。

 

 

でも、

 

あれだけの決意と覚悟をもって飛び立った彼らの行為、その現場の空気を知らないぬるい現代を生きる自分があれこれ言えないと思った。

 

 

そんなこと2度とあってはならない!

ということさえもなんだか彼らに申し訳ない気持ちになった。

 

 

 

うまく表現できない。。

 

 

 

だって

戦争よくない!

って言ったら彼らの行為を批判してることになるような気がするやん

 

次の世代の人たちがそう思えますように

と思って飛び立った人もいるかもしれないけど、その時はアメリカを倒したい一心でしょ。

 

 

その時の心を踏みにじってしまうのではないかと思ってしまったのよね。

うまく言えないけど。

 

 

 

 

 

そんなふうに、彼らの気持ちにフォーカスしてこんなことを考えながら、

 

ちょっと考えを変えて、視点を広げてみた時に

今度はまた違ったものに見えてきた。

 

 

事実だけみたら

 

やってることって

 

お互いに単純に人殺しやん?

 

○○人っていう生まれ育った場所の違いだけで敵と味方を決めて殺しあってるんだよね。

 

で、

相手を殺すことこそが本望だ!

 

って心の底から思ってやってるんだよね。

 

アホすぎだろっておもったよね。

 

そんなこと言ったらバカ失礼なのは百万も承知で言うけど、やっぱ狂ってるよね。

 

お母さん、

僕1人が突っ込んで、お母さんと、敵兵5000人のお母さんを悲しませてきます。

 

って言ってる人もいたよ

 

 

悲しいってわかってんのに。

 

 

悲しいってわかってんのにやわなきゃいけないなんてさ、アホすぎだよね、

 

しかもそこにその行為こそ素晴らしいことだっていう価値さえも与えられてるんでしょう?

 

 

やっぱ狂気の沙汰だよ。。

 

 

地球を町内だと考えたら、

ちょっと離れた家の人と全力で殺しあってるんでしょ?

 

そんな簡単な話ではないのかもしれないけど、

 

同じ場所に住んでるのにいがみ合って

命取り合って、

それこそすべて!

それこそ至高!!

それこそ幸せ!!!

 

って、

本気で思ってやってるんだもんね。

 

そう言う思考が普通になっちゃうんだもんね、

 

教育とか環境とかって、こわいよね。

 

 

世界は一つだ!

 

なんて言えないけど、

 

今よりボーダーや、偏見がなくなり、

 

みんながみんなで「地球人」として生きられたらいいよね。

 

それは各国の○○人を忘れろってことではなくてね。

 

 

どうすればそうなれるのかはよくわかんないけど、自分ができるのは、相手を受容して知ることだよね。

 

 

 

そんなことを思いながら

ゲストハウスに入ったら、

 

 

戦争で敵だったイギリス人に出会ったので、

 

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一緒にトンカツ食ってきたよ。

 

 

すごい時代だよね。

 

その当時の人は考えもしなかっただろうな。

 

 

いい時代になったよね。

 

 

 

その時の日本にいたら俺は非国民なのかな。

 

 

 

でも、

 

その時があったから今があって、

 

そんなことがあったから、

 

平和の大切さや、

 

相手を思うことの大切さにフォーカスがいく時代になってきたんだろうね。

 

戦争という経験は、

 

人間の意識というか、

 

地球の意識が、

 

この愛の時代に突入していくために必要な、

反対側への振り切りだったんじゃないかななんて思っているよ。

 

 

本当にみんなの心が解放されて

 

生き生きと過ごせる世界が訪れたらいいな。

 

 

そのために自分には何ができるだろう。

 

 

 

続く。